1.衣類に付く油汚れとは
汚れの【種類】や【原因】を把握することが重要です。
それは何故か…? 実はそれらによって汚れの落とし方が異なるからです。
汚れを落とすために、まずは違いを見ていきましょう。
1-1. 衣類に付く汚れの種類
衣類に付く汚れとしては【油溶性】【水溶性】【不溶性】と分けられます。
油溶性の汚れ
油溶性の汚れとは【油に溶ける汚れ】です。
油には溶けるが水には溶けないため水洗いだけでは落とせません。油溶性の汚れは水溶性の汚れよりも落としにくい反面、軽い汚れや付いて直ぐの汚れについては洗剤(一般的な食器用洗剤・強力な漂白剤)を、頑固な汚れや時間の経った汚れはクレンジングオイルやベンジンで洗えば効果的です。
水溶性の汚れ
水溶性の汚れとは、【水に溶ける汚れ】です。
そのため水洗いだけで落とせる汚れもあります。併せて洗剤も使えばきれいに落とすことができます。ただし、水溶性の汚れについては時間が経過するとともに酸化が進んでしまい、落ちにくくなるという性質もあります。水や洗剤を使えば落とせる汚れとは思わず、早めの対処が必要です。
不溶性の汚れ
不溶性の汚れとは【水に溶けない汚れ】【水にも油にも溶けにくい汚れ】です。
きれいに落とすのが難しいタイプの汚れであり、洗剤やオイルを使用しても落とせないことが多いので、クリーニング店などへ依頼せざるを得ないことが多いです。
1-2. 汚れの原因とは?
具体的にはどういった汚れが油溶性・水溶性・不溶性の汚れに当てはまるのか…
- 油溶性の汚れ
一般的に「油汚れ」と呼ばれます。原因としては油はねであったり、カレーやケチャップなど油分の多い食品による汚れが該当します。
また、口紅やファンデーションといった油分を含む化粧品の汚れもこちらになります。水洗いだけでは落とせないので、食器用洗剤の他にクレンジングオイル・ベンジンなどを使用してみましょう。
- 水溶性の汚れ
原因としては、コーヒーや紅茶、ジュースの汚れ、また醤油などが該当します。水洗いだけで落とせる場合もありますが、食器用洗剤を使うと多くの水溶性の汚れがきれいに落とすことが出来ます。
- 不溶性の汚れ
原因としては、泥や墨汁による汚れが該当します。泥汚れの場合はまず乾燥させ、固まった泥を叩き落としてから洗いましょう。不溶性の汚れは、歯磨き粉などの研磨作用があるもので落とせることもあります。
⇩簡単にまとめるとこんな感じです⇩
原因 | 種類 | 性質 |
油・カレー ケチャップ・口紅 ファンデーション など | 油溶性 | ・水に溶けにくいが油には溶けやすい ・電解水(アルカリ性洗剤)、油分(クレンジングオイルなど)で洗うと落としやすい |
コーヒー・醤油 など | 水溶性 | ・水に溶けやすい ・食器用洗剤(中性洗剤)で洗うと落としやすい |
泥・墨汁など | 不溶性 | ・水にも油にも溶けにくい ・界面活性剤で落としやすい |
2.衣類に付いた油汚れをきれいに落とすポイント
衣類に付いた油汚れをきれいに落とすために、汚れの種類を知り、正しい方法で洗うことが重要です。ご家庭で落とせる油汚れには限界がありますが、汚れの種類・洗い方を知ることで、簡単に落とせる場合もあります。
2-1.汚れの種類を確認
汚れには、油溶性・水溶性・不溶性の3種類があると記述しましたが、汚れの種類が分からないこともありますよね…
簡単に汚れの種類を水でチェックするというやり方があります。まずは汚れ部分に水を数滴垂らしてください。水溶性の場合であれば水が染み込むとともに汚れも広がります。また、油溶性の場合であれば汚れが広がることはありません。
2-2.洗濯表示を確認
汚れの種類が確認出来たら、衣類の洗濯表示タグも忘れずに確認してください。洗濯機で回していいのかや上限温度、その他にも漂白剤や乾燥機、アイロンを当ててもいいのかなどやっていいことダメなこと記載されているため、事前に確認をしてください。
2-3.ゴシゴシ洗うのはNG
ゴシゴシ洗って落としたくなりますが、油汚れに水分を含ませてゴシゴシ洗うと、汚れが広がってしまうことになります。洗剤を塗布して洗うにしても、タオルを当てて油を浮かせるようにやさしく洗う方がオススメです。
2-4.クリーニングのプロに任せることも
これから紹介する方法などを試しても落とせない場合は、クリーニングに出してプロに任せる方法もあります。弊社では全てに真心を込めていつも感謝の気持ちでの理念の基、個人様向けにこれまで培ってきた技術を活かし、8つの無料サービスとともに、ココロが晴れるクリーニングサービスをご提供しています。
染み抜きなどの特殊加工については必ずお見積りをご提示し了承を得てからしかクリーニングに進みません。店舗を持たない工場直送でのクリーニングとなりますので、興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
3.衣類に付いた軽い油汚れには…
☆食器用洗剤を使用する方法☆

どのご家庭にもある【食器用洗剤(中性洗剤)】を使った油汚れの落とし方のご紹介
必要なもの
- ぬるま湯
- 洗面器(バケツ)
- 食器用洗剤(中性洗剤)
- タオル
- 歯ブラシ
手順
- 衣類をぬるま湯に浸す
洗面器やバケツにぬるま湯を注ぎ、油汚れのついた衣類を浸す。実は油汚れは、水を使うよりも洗う際の水温が高いほど汚れ落ちが良くなります。
※ただし、水温が高すぎると服が傷む危険がありますので、洗濯表示タグに記載されている上限温度を確認してください
- タオルを当てる
汚れの裏側にタオルを当てることでことで汚れを吸収してくれたり、汚れ移りが防げる。
- 食器用洗剤をもみ込む
汚れた部分に食器用洗剤をつけ、軽くもみ込んでなじませる。
- 歯ブラシで浮かせる
歯ブラシで油汚れを浮き出させるように、軽く叩き洗いする。
※汚れが広がったり繊維の中に入り込んだりしないよう、擦り洗いは禁物です
- 水で洗い流して洗濯する
水で洗い流し、いつもの方法で洗濯機で洗う。
4.衣類に付いたひどい油汚れには…
軽い油汚れとは違い、ひどい油汚れの場合、食器用洗剤などではきれいに落とすことが出来ません。
☆クレンジグオイルを使用する☆

メイクをする方ならお持ちかもしれない【クレンジングオイル】を使った油汚れの落とし方のご紹介。※水分に触れると洗浄力が低下するため、乾いた状態で行ってください
必要なもの
- ぬるま湯
- 洗面器(バケツ)
- クレンジングオイル
- タオル
- 歯ブラシ
手順
- タオルを当てる
汚れ部分の裏側にタオルを当てる。
- クレンジングオイルを垂らす
汚れ部分にクレンジングオイルを垂らす。
- 歯ブラシで油汚れを浮かせる
歯ブラシで油汚れを浮き出させるように、軽く叩き洗いしてください。
※汚れが広がったり繊維の中に入り込んだりしないよう、擦り洗いは禁物です
- ぬるま湯で洗う
洗面器(バケツ)にぬるま湯を注ぎ、クレンジングオイルを洗い流す。
- 洗濯機で洗う
いつもの方法で洗濯機で洗う。
5.衣類に付いた頑固な油汚れには…
☆時間が経った油汚れの場合☆

時間が経った油汚れは、酸化が進んでより頑固なものになっています。ぬるま湯・洗剤に加えて重曹や漂白剤を使うことで、しつこい油汚れに対処してみましょう。
必要なもの
- ぬるま湯(50℃ぐらい)
- 発泡スチロールの箱(浴室)
- 洗剤、重曹、漂白剤
- タオル
- スポンジ
手順
- 油汚れを浮かせる
ぬるま湯・洗剤・スポンジを使って油汚れを浮かせる。
※泡立てると、油が浮き出しやすくなります
- 洗浄液を作る
50℃のぬるま湯に重曹・酸素系漂白剤を混ぜ合わせる。
※お湯1リットルに対し各大さじ2杯を目安に
- 浸け置き洗いする
洗浄液に浸け、泡立ててから1時間ほど浸け置き洗いする。
※発砲スチロールの箱や浴室を利用し、湯温を保ちながら浸け置きしましょう
また、洗剤を洗い流す必要はありません
- 洗濯機で洗う
衣類を軽く絞り、いつもの方法で洗濯機で洗う。
Ex.お湯を使用する方法
綿や麻のような材質の衣類であれば、その耐熱性を利用して【煮洗い】もおすすめです。この場合、煮洗いすれば油汚れを落とせるだけでなく、殺菌・消臭効果も期待できます。
※化学繊維や動物性繊維の衣類には向きません

必要なもの
- 鍋(アルミ製は除く)
- 洗濯用粉洗剤
- 菜箸(トング)
手順
- 水を沸騰させる
水を7分目まで注ぎ、沸騰させる。
※アルミ製の鍋はアルカリ性に弱いため、ステンレスやホーローの鍋を使いましょう
- 洗濯用粉洗剤を溶かす
沸騰させたお湯をぬるま湯になるまで冷まし、洗濯用粉洗剤を溶かす。
※水1リットルに対して大さじ1杯を目安に
- 煮洗いする
鍋に浸し、10分間煮洗いする。
※長時間煮洗いすると、服が傷むことになりますので注意しましょう
- 火を止めて放置する
火を止め、お湯が冷めるまで30分ほど放置する。
- 服を取り出す
お湯が冷めたら、菜箸やトングを使って服を取り出す。
※やけどにはくれぐれもご注意ください
- すすぎ・乾燥する
取り出した衣類をすすぎ、乾燥させる。
おわりに…
汚れの種類により対処方法もここに記述した以外にもありますが、先ずは汚れの種類・洗濯表示タグを必ず確認し洗剤や水温を使い分けましょう。どうしても落とせない頑固な油汚れについては、最終手段としてクリーニングに出すこともご検討ください。とにかく、衣類に油汚れが付いたら早めの応急処置を行うことでお気に入りの一着をきれいに長く楽しめることに繋がります。
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